会津若松で黙想会

 朝から仮設住宅では、住民の方々による「手芸会」が行われました。
 20名程の方が、お針道具を持って集会所に集まりました。指導されるのも、仮設住宅にお住いの方です。
 本日の作品は、タオルでできた象さん。かわいいタオル掛けになります。
 お手本は、三陸の仮設住宅の方々が作っておられる「がんばるゾウ」です。こちらでは、富岡町で有名な桜にちなんで「さくら咲くゾウ」と名付けられました。故郷に早く帰れるように、との願いが込められています。皆さん、熱心に作っておられました。


 この手芸会は、単なる趣味の集いではなく、震災により仕事を失った女性たちが、自ら取り組むべき課題を作り、作品を販売することにより、たとえわずかでも利益を得て、「生きがい」を作り出そうとするものです。震災に負けず自立していこうという強い思いを感じます。私たちボランティア・センターでは、このような住民の方々の自立への取り組みを、できる限り支えていきたいと考えています。

 さて、私たちは本日、会津若松諸聖徒教会を訪れ、「黙想と祈りの集い」を行いました。この教会では地震により、教会、幼稚園の建物に大きなダメージを受けました。一目見ただけではわからないのですが、よく見ると、柱が壁から離れ、隙間ができ、壁に多くの亀裂が見えます。また、10年前に設置された突っ張り棒も大きくずれて、かろうじて形を保っている状態です。2階が礼拝堂で、1階は幼稚園の園舎として使用しているのですが、園児の安全を考えると、このまま放置してゆくことはできません。今、教会、幼稚園の皆さんは、大きな決断を迫られ、悩み苦しんでおられます。私たちは、会津若松の教会・幼稚園を、祈りによって少しでも支援したいと思い、黙想会を企画しました。



 同じ福島県とはいえ、会津は小名浜とは全く気候が違い、大変寒く、また雪深いです。今年は雪が少ないとはいえ、小名浜では全く見ることのなかった雪が道路に積もり、凍結していました。到着した時、幼稚園の園庭では、冬休み中の預かり保育に来ていた園児たちが、雪の中で元気に遊んでいました。

 黙想会には、牧師の越山哲也司祭のご家族、信徒の方、幼稚園の園長先生が参加してくださいました。黙想会の説明、小グループによる分かち合いの後、40分ほどの礼拝を行いました。イコンを前にして、静かな歌うたい、黙想の時間を持ちました。とりなしの祈りの中では、教会・幼稚園の祈りの為だけではなく、子ども達、特に現在、困難の中にいる子供たちの為、また紛争の絶えない世界を覚えて平和のための祈りがささげられました。
 黙想会の後、温かいお茶とお菓子をいただいて、凍った道を注意深く運転しながら、会津若松を後にしました。