夏みかん物語 Ⅱ

夏みかん物語Ⅱ

 結城司祭が高価な夏みかんの苗を買ってこられ「今は小さな苗だけれども、これは大きくなってたくさんの人を喜ばせることができるんだよ」とおっしゃった夏みかんの樹は、それから20年後、毎年たくさんの実をつけ続けました。そして、そのたわわに実った夏みかんは収穫されて、教会のみなさんの手によって美味しいジャムなどになり、バザーで販売されて、日立聖アンデレ教会の貴重な収入源となりました。結城司祭の言われた通り、たくさんの人を喜ばせる樹になったのです

けれども、近年では高い木の上に登れる人もいなくなってしまい、もったいないとは思いつつも、下の方にある少しのミカンだけを収穫して、残りは鳥の餌となり、落ちてはたい肥となっていました

 さて、今年は、ボランティアの手によってたくさんの夏みかんの実が収穫されましたが、今度はそれを加工する人手がありません。
そこで、私たちは神戸教区内で、夏みかんを加工していただけそうな教会をピックアップ。牧師先生と婦人会の方にお願いして「日立の夏みかん」を調理していただくことにしました。
さらに、その夏みかん食品をその教会で販売していただき、売上金は地震で落下してしまった礼拝堂の補修の費用の一部とするという計画を実行することにしました
 
   夏みかん全滅!
 早速、夏みかんの実を新聞紙で大切にくるみ、梱包して神戸聖ミカエル教会、広島復活教会、米子聖ニコラス教会の3教会に宅急便で送りました。
数日後、神戸聖ミカエル教会の上原司祭様より「送られて来たすべての夏みかんにカビが生えて、食べられる状態ではない」という知らせが伝えられました。どうやら、カビが生えた原因は、震災も関係していたのかどうかわかりませんが、大量の郵送物で配送が遅れてしまったことにあったようでした。折しもゴールデンウィークでもあったため、普段なら1~2日で到着する荷物が、4日もかかってしまい、春の暖かさも手伝って段ボールの中の夏みかんは全滅してしまいました。上原司祭様の努力で送料は全額返金されましたが、貴重な日立の夏みかんが失われたのは、大変残念でした。また、不幸中の幸い?かもしれませんが、ご心配くださった教会の方が、失われた夏みかんの代わりにとケーキを焼いて送って下さいました。5月10日にいわき市内で行われた「おかし屋台」のイベントで避難所のみなさんにお配りして傾聴ボランティアのきっかけとなりました。
他の2教会に送られた夏みかんも一部がダメになっていたようでしたが、大半の夏みかんは問題なく、婦人会のご尽力によりジャムやオレンジピールとなり、広島復活教会では5月8日の主日に販売され、明日の主日にも第二弾として販売予定です。米子聖ニコラス教会も同じく、明日販売が予定されています

 
このブログを読まれている方々にも、お分けしたいところですが、局地的なレア
商品となってしまいました。日立だけでなく、他の場所でも結城司祭の願いどおり「たくさんの人を喜ばせる」夏みかんになっていることでしょう
 21日よりボランティアセンターの働きは、大阪教区の指導者に移行され、この夏みかん同様、私たちの支援活動も人の手によって伝えられ、支えられていくことでしょう。そして、この働きが神さまと多くの人が喜んでくださるものでありたいと願います。

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※夏みかん物語Ⅰをご覧になっていない方は5月1日のブログをご確認ください